スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←無題 →激流
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png about
もくじ  3kaku_s_L.png 金色のコルダ
総もくじ  3kaku_s_L.png 遙かなる時空の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【無題】へ
  • 【激流】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

金色のコルダ

甘いのはチョコだけじゃなくあなたへの気持ち

 ←無題 →激流
「先生、これチョコです、もらってくださいね」
これだけ、たった一言でいいのに…
今日1日学校中で繰り広げられている恒例行事で特別な事じゃないのに、
どうして自分は彼にこれを手渡せなかったんだろう…。

少しだけあかね色に染まりかかった空が一望できる屋上で香穂子は深い溜息をついた。

立っていれば鳩尾くらいの高さの手すりに、アゴを預けて投げ出した手の中にある小さい紙袋をそっと玩ぶ、もう何週間も前から、どんなチョコを渡そうかと考えていた。

『わりぃ俺あんまり甘いの好きじゃないんだよ』

いつも、そう言っては職員室でまわってきたお菓子のたぐいを準備室にいる香穂子にくれていたから、甘さを控えたガトーショコラを手作りした。
好きな人にあげる物を作るのがこんなに楽しいことだなんて始めて知って、それがまた幸せを一つ増やしてくれた気がしていのに…。


準備室の入り口でその光景を見たとき、どうしてだか足がすくんだ。
目の前で、音楽科の生徒達が先生へチョコを渡していた、ただそれだけの風景。
ごく当たり前のちょっと砕けた先生と生徒の軽い会話が繰り広げられていて。



でも…自分達は?



そんな疑問が頭をよぎる…。
決して堂々と世間にこの関係を言えないから、学校で会っても極力接触を避けて週に1度くらい準備室に行ってレッスンを付けてもらうだけ、あとは携帯のメールだけ…秘密の関係だから覚悟もしていたのに…。

想いはとどまることなく確実に自分の中で育っていて、あそこで面倒くさそうに半ば強引に押しつけられたチョコを受け取る先生への想いは強くなる一方だった。



何もないフリをして、義理のフリをして、手の中のモノを渡すことなど出来ない。



一緒に言葉までこぼれ落ちそうで、怖かった。

「好きすぎて、どうにかなってしまいそうなのに…言葉に出来ないなんて…。」

自分の不器用さに、涙が出てきそうだった。
腕を手すりに投げ出したまま下を向く。
涙がこぼれ落ちるのがいやで、顔を下に向けて頭のてっぺんを手すりに押し当てる、
大きく息を吸い込んだら微かに肩が震えた。


その瞬間、自分の足下に大きな影が重なり白いモノが視界に入る。
はっと頭を上げる暇もなく、手すりに預けていた手の中にあった小さな紙袋が取り上げられた。


「お前さん、どうしてこんな見つけにくいところに居るんだ?」

頭を上げるタイミングを失ったまま、視界にいつものサンダル入ってくる。
微かに香るタバコの匂いがはっきりとそれが誰かを語っていた。

「俺は可哀想だよなぁ…来るの待ってたら下校時間ギリギリになって、バレンタインデーなのに学校の敷地内をくまなく、たった一つのチョコを探して歩き回ることになるんだからな」

2月だというのに、春のような暖かい風が吹き抜ける。

「だって、義理のフリして渡すなんて、何もないフリして渡すなんて、出来なかったから…。
私不器用だから、先生を好きすぎる気持が溢れそうで…学校で渡すの怖かったんです。」

涙と言葉が一緒にこぼれ落ちる。

ぽんっと大きな手が頭に載せられた。

「……お前さん、時々ものすごい口説き文句を言ってくれるよな…。」

その声音がいつもと違って聞こえて頭を上げて見上げると、逆光とあかね色に染まる空のせいでよくわからなかったが、心なしか金澤の顔が赤く染まっている気が香穂子はした。

「……先生?」

頭に載っていた手がそっと頬の方へと滑ってこぼれていた涙をすくう、

「お前に無理ばかりさせてるな…ごめ…」

「無理なんかしてないよ、先生が好きなだけ…どんなに止めたくてもこの気持を止められないだけだから…謝らないで。」

切なげな金澤の言葉を遮るように、まっすぐに見める。

「同じ気持ちでいてくれるなら、私がんばれます」

ゆっくりとでもしっかりと、金澤の大きな手が香穂子の頬を包み込む。

「……同じ気持ちだよ」

それだけで心が満たされていく、ようやく香穂子の顔に花が咲いたような笑顔が広がった。

「それ、もらってくれますか?甘くないガトーショコラ作ったんです。」

そう言いながら、立ち上がる。

「へぇ~ってお前さん、ガトーショコラじゃここで喰えないぞ…もう下校時間だから、準備室って訳にもいかないし…。」

ほんの少しだけ残念そうに言う金澤を見て香穂子はクスリと笑う。

「持って帰って食べてください。目の前で開けられるのは恥ずかしいし。」

照れたように笑う香穂子の顔に一瞬だけ見取れた男の顔に少し企みのある笑みが広がった。

「じゃぁ…さ、チョコよりも甘いモノをもらっていくか…。」

そう言うと、香穂子がいぶかしがるよりも早く、彼女の顔を引き寄せて唇を奪う。


一瞬の出来事に火を噴きそうなほど頬を赤くした香穂子を抱き寄せながら、
目の前の何よりも愛おしい彼女の唇が甘いのは当然と小さな抗議の声さえ心地よいBGMとなって、金澤は幸せな気分を味わっていた。








あーもーなんだかね、自分で書いておいて何ですが
メロメロじゃん、先生(笑)
関連記事
  • 激流


もくじ  3kaku_s_L.png about
もくじ  3kaku_s_L.png 金色のコルダ
総もくじ  3kaku_s_L.png 遙かなる時空の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png オトメイト
もくじ  3kaku_s_L.png その他
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【無題】へ
  • 【激流】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【無題】へ
  • 【激流】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。